B型肝炎ウイルスの無症候性キャリア 症状がなくても、B型肝炎ウイルスを持っている方を「無症候性キャリア」といいます。

弁護士岡田 聡
<監修者> 弁護士 岡田聡
さまざまな問題を抱えていても、それを弁護士に相談するということは、まだまだ敷居の高いことと思われるお客様も多いと思います。ですが、問題は早いうちに解決した方がよいですし、私たちもお客様のことを第一に考えて対応させていただきますので、安心してご相談ください。
B型肝炎ウイルスの無症候性キャリア

B型肝炎ウイルスの持続感染者のうち、約85~90%の方は、自覚症状がないほどの軽い肝炎を発症しますが、じきに治まります。症状がなくても、体内に持続的にB型肝炎ウイルスが存在している方を「無症候性キャリア」といいます。

ただ、10~15%の方は、慢性肝炎を発症し、その後、肝硬変、肝がんへ進行する場合もあります。そのため、無症候性キャリアであっても決して安心できません。医療機関で定期検査を行ない、肝臓の状態を確認する必要があります。

給付金の制度上、無症候性キャリアと認められた方に対しては、給付金本体の他に、検査に関する援助や病状が進行した際の追加給付金を受けることができるので、無症候性キャリアの時点でB型肝炎給付金訴訟の手続きをとることをおすすめします。

無症候性キャリアの給付金額と援助

無症候性キャリアの方の給付金額は次のとおりです。

  • 感染後20年を経過している方・・・50万円
  • 感染後20年未満の方・・・600万円

※一次感染者の方の場合、1988(昭和63)年1月27日までに集団予防接種等を受けていることが要件の一つとされていますので、現在は、無症候性キャリアの方で、感染から20年未満に当たる方は存在しません。他方、二次感染者や三次感染者の方の場合は、感染時から20年未満の場合もあります。

給付金の他にも、感染後20年を経過している方は、慢性肝炎等が発症していないかどうか確認するため、検査に関する以下の援助が受けられます。

  • 定期検査のうち、血液検査と画像検査(腹部エコー)はそれぞれ年4回まで、画像検査(CTまたはMRI)は年2回まで無料です。検査に付随する診療料(再診料など)、検査料、画像診断料なども無料となります。手続としては、訴訟での和解成立後、受給者証が交付されるまでは、検査の際、一旦検査費用を支払った上で、社会保険診療報酬支払基金に対し、請求書や領収書等を提出します。受給者証が交付された後は、医療機関の窓口で受給者証を提示すれば、費用の支払は不要となります。
  • 定期検査手当として、1回につき1万5000円、毎年1月~12月の間に2回まで(最大3万円)支給されます。こちらも、受給者証が交付されるまでは、定期検査費とあわせて支払基金に請求します。受給者証が交付された後は、定期検査の受診が確認された後、指定口座に振り込まれます(約4か月後)。

ご家族に感染させないために

無症候性キャリアの方でも、ご家族に感染させてしまうリスクがあります。ご家族に感染させないためには、ご家族にワクチンを打ってもらうなど適切な予防医療を受けてもらう必要があります。そのため、以下の感染防止医療費用支給の援助が受けられます。

  • 母子感染防止のため、和解成立後に子供を出産した時に、母子の血液検査費用や子供に対するワクチン等の投与費用が一定限度支給されます。
  • 世帯内感染防止のため、和解成立後に無症候性キャリアの方と同居することになったご家族に対するワクチン投与及び投与前後の血液検査費用が一定限度支給されます。

追加給付金が受けられなくなることも

無症候性キャリアの給付金額を聞いて、相談はしてみたものの手続きが面倒そうだと思って、今は、特に症状がないから、手続きをしない、という方がいらっしゃいます。しかし、無症候性キャリアの時点で給付金を受け取っておくと、後に慢性肝炎、肝硬変、肝がんを発症した時に、追加給付金を受け取ることができます。

それでは、無症候だから今は請求しないでおいて、発症してから請求すればよいのではと考える方もいるかもしれません。しかし、制度上、給付金をもらうためには、2027年3月31日までに提訴しなければなりません(2021年6月現在)。

発症までには長い時間がかかる場合があるので、慢性肝炎などが発症した頃にはもう請求できないということも十分ありえます。そのようなことにならないためにも、無症候性キャリアの方は、この手続きは、症状が進行したときの保険だと思い、なるべく早くB型肝炎訴訟の手続きをとることをおすすめします。

また、裁判をするには、検査や書類収集等に時間がかかります。期限間際では間に合わない可能性もありますので、できるだけ早くご相談ください。

B型肝炎ウイルスの無症候性キャリア まとめ

  • 無症候性キャリアの給付金額は?
    感染後20年を経過している方は50万円、感染後20年未満の方は600万円です。
  • 無症候性キャリアの場合に受けられる援助の内容は?
    感染後20年を経過している方は、慢性肝炎等が発症していないかどうか確認するため、定期検査(血液検査、画像検査)は年4回まで無料で受けられ、定期検査手当として1回につき1万5000円、最大3万円が支給されます。また、母子感染や世帯内感染を防止するためのワクチン投与や血液検査費用が支給されます。
  • 無症候性キャリアで給付金を受け取り、病状が進行した場合の給付金はどうなる?
    無症候性キャリアでの給付金受け取り後に、慢性肝炎、肝硬変、肝がんを発症した時には、追加給付金を受け取ることができます。
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